サファリ・ハットの伝説 #004

サファリ safari がアフリカなどでの狩猟旅行であるのは、言うまでもないでしょう。

これはスワヒリ語の「サファラ」 safara から出ているんだそうです。
その意味は、「旅立ち」。

サファリは数多くのガイド、従者を必要とするので、多額の費用がかかります、なんとも贅沢なスポーツなのです。しかもそれが何か月も続くのですから。

サファリを体験した作家に、アーネスト・ヘミングウェイがいます。
ヘミングウェイは1933年11月から翌年の4月にかけて、東アフリカに出かけています。
このサファリの体験から生まれた小説が、『フランシスコ・マコーマーの短い幸福な生涯』なのです。これは1936年『コスモポリタン』9月号に発表されています。

ヘミングウェイは1927年に、当時『ヴォーグ』の編集者だったポーリンと再婚。このポーリンの実家が富豪だった。
それで結婚祝いに、サファリをプレゼントしてくれたのです。

ではヘミングウェイは、サファリの仕度をどこで整えたのか。

「アバークロンビー&フィッチ」だったのです。

「アバークロンビー&フィッチ」はその頃、NYにあった超高級旅行洋品店。
この店のサファリ・ジャケットは世界最高とまでいわれた店。
世界の富豪が旅行洋品を買い求めた有名店だったのです。
開業は1892年のこと。スポーツ好きの富豪、デイヴィッド・T・アバークロンビーと、エズラ・H・フィッチとが共同ではじめたので、その名前があります。

1933年に、ヘミングウェイはサファリ・ハットも「アバークロンビー&フィッチ」で買ったものと思われます。

サファリ・ジャケットも同じことですが、そこにいかに高密度のコットン・トゥイルが用いられているか。
それによって品質が決定されるのです。