パナマ・ハットの伝説 #023

夏に欠かせない帽子に、パナマ・ハットがあります。

ストロー・ハットに似て、違うものです。

ストロー・ハットの原料が麦藁なのに対して、
パナマ・ハットは「パナマ草」の繊維が使われるからです。

パナマ草はまた、「トキヤ草」とも。

トキヤ草はエクアドルに多く、ちょっと棕櫚に似た植物。
この植物から、強く、細い繊維が生まれるのです。
英語ではこの繊維のことを、「ヒーピーハーパー」 jipijapa と言います。

昔、エクアドルで編まれて、パナマ港から船で送られたので、「パナマ・ハット」と呼ぶようになったのです。

パナマ・ハットのクラッシックのスタイルに、『オプティモア」があります。
クラウン頂上に一本の筋が走っているデザイン。
あれは船に積む時、縦に二つ折りにしたことの名残りなのです。

パナマ・ハットにもピンからキリまでがあって、高級品ほど細く巻くことができるのです。
それほどに繊細なヒーピーハーパーが使われるから。

その場合、早くとも半年ほどかけて、編む。
だから、百万円のパナマ・ハットもあり得るわけです。

よく「モンティクリスティ」と言われますが、これはエクアドルの小さな町の名前。
ここでは昔ながらの手法で、パナマ・ハットが編まれています。

なかでも「フィノ」は高級品。
さらにその上に、「フィノ・フィノ」があります。
これはもう絹糸のように細いヒーピーハーパーで編まれるのです。

パナマ・ハットを細く巻いて、指環に通すという話も嘘ではないのです。