バショウ・ハットの物語 #027

ここでの「バショウ」とは、芭蕉のことです。

主に熱帯を好む植物のこと。
大きな、緑色の葉が特徴で、ここから細い繊維を取ることができます。

俳句の、松尾芭蕉とも関係がないわけではありません。
芭蕉が、江戸・深川で住んだ家の名前が「芭蕉庵」。
この家の名前から、俳号の芭蕉を選んだのです。

芭蕉の葉から糸を得るわけですから、「糸芭蕉」とも。

細くて、強く、張りのある糸。
これは今でも沖縄の一部で糸になり繊維として使われています。
もちろん高価な、盛夏の着物地としてです。
風通し良く、涼しい生地でもあります。

その芭蕉布で仕上げた帽子なので、「バショウ・ハット」。

実際には半ばシースルーの帽子でもあるでしょう。
シースルーで、さらには、軽い。
軽いけれど、張りがあるので、シェイプが美しく出る。

サマー・ハットとしては最上のものとなるでしょう。

しかしなにごとにも上には上があって。

糸芭蕉で帽子を編んだら、どうでしょうか。

そのいえばパナマ・ハットもパナマ草の繊維で編んだものですから、
考えとしてはまったく同じでしょう。

細くて、強いところもよく似ています。

ただ、細い糸芭蕉で編むとなったら手仕事で、高価な貴重品にはなるでしょうが。