クーリー・ハットの伝説 #030

「クーリー・ジャケット」 coolie jacket というのがあります。

昔、主に中国で愛用された、キルティング・ジャケットのことです。

多くは立襟になっていて、前ボタンも中国スタイルになっています。
あの紐結び式のボタンは、「チャイニーズ・ノット」と呼ばれことがあります。

上着にクーリー・ジャケットがあるように、
帽子にも「クーリー・ハット」 coolie hat があります。

クーリー・ハットは一枚天井の、山型の、大きな帽子のことです。
昔、中国の労働者が被ったので、その名前があります。

もっとも「クーリー」はインドの、「クリー」 kuli から来ているのだそうですが。
もしかするとオリジンはインドにあるのかも知れません。

クーリー・ハットの特徴は細い竹で編んだところにあります。
いや、竹だけでなく、棕櫚をはじめとする様ざまな植物が使われたようです。
それは身近であり、軽く、風通し良く、安価でもあったからでしょう。

中国のクーリー・ハットから連想するものに、我が国の「菅笠」があります。

「菅笠」は日本古来の、帽子。
菅で編んだ帽子だから、「菅笠」。

菅は英語で、「カレックス」 carex 。
日本ばかりではなく、世界中に分布しているカヤツリグサ科の植物。

ただし菅をこれほど巧みに利用したのは、日本だけでしょう。

笠はもとより、蓑、筵、草履などにも利用されたそうです。

それはともかくもう一度、クーリー・ハットを見直したいものです。