ブック・ハットの物語 #037

世の中には、「稀覯本」というものがあります。

古くて、豪華で、貴重な本のことです。

稀覯本があるからには稀覯本の蒐集家もいるわけで。

たとえば、『楚囚之詩』。これは、北村透谷の詩集。
明治二十二年四月九日に発行されています。
ただし、自費出版で、しかも北村透谷は発行はしたものの後で気が変わって、すべて破り捨てた。
でも、一冊だけは残しておいた。

この『楚囚之詩』が、昭和五年に発見。
大騒ぎになったことがあります。
これは幻の一冊というべきでしょう。

あるいはまた、手稿本を探している人もいます。

手稿本とは印刷機以前の、僧侶が手で書き写した、美しい、きらびやかな本のこと。
もし発見されたよしたなら、おそらく天文学的な数字になるでしょう。

昔、立派な本に細工して、秘密の小箱にしたこと、ありませんか。
表紙、小口はそのままに、中のページをくり抜いて、密かな物入れに。
なんだかジェイムズ・ボンドにでも出てきそうな話でもありますが。

稀覯本の形をした帽子、どこかにありませんか。

見た感じはどうも稀覯本に似ているのですが。
裏側の中央にくぼみがあって、被ることができる。

「ブック・ハット」。

さて、「本」の題名をなんとしましょうか。