ロウシルク・キャップの物語 #042

ロウ·シルク raw silk という糸があります。
糸があるならそれを織って、生地にすることができるのは、言うまでもありません。

ロウ·シルクの「ロウ」 raw はふつう「生」の意味。
つまり直訳するなら、「生絹」となります。
でも、これで何のことか、さっぱり分かりませんね。

実はロウ·シルクは、蚕が繭から抜け出た後の殻から繊維を引き出す糸のこと。
これもまたシルクであることに変わりはありません。

ただし一般のシルクとはまったく表情が違います。
それは繊維が不揃いで、ごく短い繊維だから。

見た感じは「シルクのトゥイード版」といったところ。
全体にざっくりとしていて、節糸が飛んでいます。
が、そこには言うに言われぬ野趣があります。
深い味わいを感じさせます。
しかもトゥイードに較べて、はるかに軽く、しなやかです。

このロウ·シルクで、大ぶりな、ゆったりとしたキャップが被ってみたい。

だから、「ロウシルク·キャップ」。

ロウ·シルクには色無地もあれば、ストライプやチェックなどの織り柄もあります。

いくつかの色柄の、ロウシルク·キャップを持っていて、気分で被りわけるのも愉しいでしょう。