ブリーズ・ハットの物語 #043

「とんぼつり けふはどこまで 行ったやら」

これは江戸期の加賀の千代の名句です。
千代は幼い子を喪っていますから、これは空想の句。
もしあの子が生きていたなら、とんぼつりにも行っただろう、の想いが込まれているのでしょう。

トンボ取りは今でもあるはず。
大きな、白い、捕蝶網をもって出かけたものです。
あの白い網は、何で出来ているのでしょうか。

たとえば白麻のネットがあったとすれば、さぞかし風通しの良い帽子が生まれることでしょう。

白麻で、なるべくなら張りのある素材が最適でしょう。
クラウンの天井と、ブリムだけは編み地を二重にする。
でも、クラウンの周りすべては一重。
それで風が入ってくる。

「ブリーズ·ハット」。

微風を運んでくれる帽子というわけです。