クラック・ハットの伝説 #047

俗に「クラック」と呼ばれる帽子があります。

でも、一般の『帽子用語大事典』には出ていません。
が、「クラック」 claque はあります。

これはフランス語での「オペラ·ハット」のことです。
オペラ·ハットは観劇などに向いているので、その名前があります。

一見、シルク·ハットに似ているのですが、中に螺旋状の針金が仕込んであって、クラウンを畳めるようになったもの。

フランスではふつう、「ジビュス」 gibus 。
これがイギリスに渡りますと、「ジャイバス」となるわけです。

1834年頃、パリの帽子商、アントワーヌ·ジビュスが発明したので。

ところでこのジビュスはどうなっているのか。

スパイラル式のワイヤーがあって、これを畳んで、フックで留めておく。
再び被る場合にはこの留め金を外す。
外す時、粋な男は軽く腿に打ちつけて、外す。

と、「クラック」と音がする。

擬音ですね。この擬音から、「クラック」。

フランスですから、「シャッポ·クラック」とも。