チャーリー・キャップの物語 #051

柄のひとつに、「市松模様」があります。

一種のブロック・チェックとも呼べるものです。
たとえば黒と白の配色で、それが互い違いに並べられたパターンのこと。
この特徴的な柄は、歌舞伎から生まれたものです。

江戸、元禄時代に、歌舞伎役者、佐野川市松が好んだので、その名前があります。

佐野川市松は、紺と白の配色での袴を穿いた。
ここから流行がはじまったと伝えられています。
それで今に、「市松模様」の名前で呼ばれるわけです。
つまり市松模様の最初は、紺と白の組み合わせだったことになります。

話は少し飛ぶのですが。
イギリスの作家、キリル・ボンフィリオリの小説に、『閣下のスパイ教育』があります。
1991年の刊行。この中に。

「リリーホワイト・スポーツ百貨店に市松模様のゴルフ帽を買うためだけに立ち寄った。」

そんな場面が出てきます。

「リリーホワイト」は、ロンドンに実在するデパート。
それもスポーツ・グッズ専門店。「リリーホワイト」で揃わないスポーツ用品はまずないほどです。
帽子やウエアも充実しています。

ここで、物語の主人公、チャーリー・モルデカイが、「ゴルフ帽」を買うわけです。

なにもゴルフと限らず、小さな市松模様の、スポーツ・キャップは被ってみたいではありませんか。

その名前は、「チャーリー・キャップ」。

余談ですが。イギリスにも市松模様はあります。
ふつう、「チェッカーボード」と呼ばれるようですが。