チュビチエイカ・キャップの物語 #058

シルク・ロードが、「絹の道」であるのは、言うまでもないでしょう。

今、絹は身近な存在になっています。
スカーフやネクタイはたいていシルク製が多いものです。
日本の着物もまた、絹が大半を占めています。

絹は紀元前三千年ほど前の中国ではじまったとされています。
蚕を育て、その蚕が吐く糸が美しい繊維になることを発見したのです。
古代中国の絹は、秘中の秘とされました。
国外に持ち出すことはもっての他だったのです。

伝説によれば、僧侶に扮したある異国人が、杖の中に蚕を入れて持ち出したという話があります。
杖のなかをくり抜いて、その空洞に蚕を収めたのです。
紀元前一千年ほど前のことです。
ここから後に、「シルク・ロード」がはじまるわけです。
もっとも、実際には絹だけでなく、さまざまな文化交流の道が拓かれるのですが。

中国からヨーロッパへ。
ヨーロッパから中国へ。

その中間地点ともなったのが、ウズベキスタン。
ウズベキスタンには、「プロフ」という料理があります。
日本でいう「ピラフ」によく似ています。
ウズベキスタンでは誰もが、毎日のように「プロフ」を食べる。
炒飯にも似ています。
おそらく炒飯とピラフの間に位置する食べ物ではないでしょうか。

ウズベキスタンの民族帽に、「チュビチエイカ」があります。

これはヤマの平たく丸い縁なし帽であります。
上手に焼けた大型のホット・ケーキそっくりの形です。
その作り方とデザインは実に様ざま。

チュビチエイカは老若男女の別なく愛用されます。
ウズベキスタンではターバンも「民族帽」ですが、チュビチエイカはもっと広い用途のある帽子です。

どうせならシルク・ロードに因んで、絹のチュビチエイカ・キャップを作ってみようではありませんか。

張りのある絹地で、それぞれの文様を活かした、軽快なキャップを被ってみたいものです。