ハルコ・キャップの伝説 #059

女の人はいいなあ、やっぱり。

本を読んでいると、いつもそんな風に思う。

本を書く人は大きく分けて二種類があります。
男と、女。仮に小説だとすれば、男の作家と女の作家。
小説は小説ではないか、と言ってしまえばそれまでではありますが。
男の作家に少なく、女の作家に多いもの。

それはファッション。

つまり登場人物の服装描写が女のほうが、豊かで、濃やか。

ひとつの例としてあげれば、森 瑶子。
森 瑶子の物語では服装描写が念入りであります。
その女性がどんな感覚の持ち主であるのか、想像をたくましくさせてくれます。

これも一例ではありますが、太田治子。
太田治子の随筆を読んでみましょう。
どういうわけか、帽子の話がよく出てきます。
それも太田治子の場合、実にさりげない語られる。
さりげないからこそ、余韻が深くなるのですが。

たとえば、『ガルボ・ハット』。
これなんかもほんとうに、スケッチのような、一筆書きのような随筆なのですが、余白に味わいがあります。

太田治子にはまた、『ベレー帽の反抗。」というエッセイがあります。
これは太田治子が小学生三年くらいの時の物語。
その頃の太田治子は、自分のベレー帽が得意だったという。
なぜか勝手にサックス・ブルーのベレーを想像させるのですが。

目黒川に映る治子のベレー。
サックス・ブルーのベレー。

いや、なにもベレーでなくても、サックス・ブルーでなくても。
すべての帽子は「想い出」を創ってくれる小道具だということです。

愛する帽子の多い人ほど、美しい想い出が多い。

それはともかく、「ハルコ・キャップ」作ってみませんか。

もちろん、サックス・ブルーのベレーなんですがね。