プリーツ・ハットの物語 #061

プリーツが「襞」のことであるのは、いうまでもないでしょう。

女学生のプリーツ・スカートは日常茶飯の光景であります。
男物でも、ドレス・シャツの胸元にプリーツをあしらったデザインのものもあります。
古代エジプトに、「カラシリス」というワンピース風のドレスがありました。
薄い麻布の、半透明の衣裳。
この「カラシリス」の特徴が、プリーツだったのです。

そのように考えてみれば、プリーツはほとんど歴史とともに存在していたのかも知れません。
カラシリスまで遡らなくとも、中世の衣裳にもプリーツは重要な役割を果たしていました。

たとえば、スコットランドの「キルト」。
キルト kilt は襞のある巻きスカート風でもあります。
が、あれはもともと大きな毛布に似た衣裳で、それを身体に巻きつけることで、服装としたもの。
つまり一本の縫目もなく、「生地」を襞によって「服装」へと変身させてわけです。

キルトにやや近いものとしては、インドの「サリー」知られています。
この古くて新しいプリーツを、ソフト・ハットに応用したいものです。

ソフト・ハットのクラウンを、うんと高くしておいて。
そのすべてがプリーツでもあるような。
つまりアコーディオンにも似たソフト帽。

クラウン部分はぜんぶ襞、襞、襞。プリーツ、プリーツ、プリーツ…………。

ですから、襞の取り方、畳み方によって、いくらでも帽子全体のスタイルを変えることができるわけです。

「プリーツ・ハット」を被ってみましょう。