ケンジ・キャップの伝説 #069

『注文の多い料理店』は、たぶんお読みになったことでしょう。

もちろん、宮沢賢治の童話。
たしか国語の教科書にも出ていたような記憶があります。
宮沢賢治の童話の中でもよく知られているもののひとつです。

「注文の多い料理店」とは、店から客に対しての「注文」が多いとの意味ですから、笑ってしまいます。
まず、「手を洗いなさい」とか、「尖ったものはここにおいてください」とか。

それはともかく、この料理店の名前が、「山猫軒」。
英語名もちゃんと書いてあって、「ワイルドキャット・ハウス」。

今、岩手県、花巻市に行きますと、「山猫軒」がちゃんとあるんですね。
「嘘から出た真」とでも言えば良いのでしょうか。
「宮沢賢治記念館」に隣接して、建っています。

ところで宮沢賢治はどうして童話の中のレストランに、「山猫軒」と名づけたのか。
さあ。
でも、宮沢賢治が「山猫」に大いなる関心を持っていたことは間違いありません。
宮沢賢治の著作のなかに、「山猫」の話がいくつも出てきますから。
たとえば、『黄いろにうるむ雪ぞらに』という詩なんですが。

「山猫皮の帽子をとって…………」

と、一度書いて、消しています。

つまり発表稿には、「山猫皮の帽子」は出てきません。
きませんが、宮沢賢治が「山猫皮の帽子」をどこかで意識していたのは、事実でしょう。

宮沢賢治が「山猫皮の帽子」を被ったのか、どうか。
いや、その前にそもそも「山猫皮の帽子」があったのか、どうか。

さて、ここからは想像の世界ですが。
宮沢賢治が頭の中で想い描いていた「山猫皮の帽子」を今に、復元してみようではありませんか。

名前は、そうですねえ。「ケンジ・キャップ」だとか。