クロケット・キャップの伝説 #068

人の名前がそのまま帽子の名前になった例があります。

よく知られているところでは、「シャーロック・ホームズ」。

「シャーロック・ホームズ」は名探偵の名前であり、また、帽子の名前でもあります。
庇が前後に付いた帽子のことです。

ほんとうは、「ディアストーカー」。
「鹿撃ち帽」。
もともとはハンティングに用いられた帽子。

このディアストーカーを、シャーロック・ホームズが愛用したので、その名前で呼ばれるわけです。

もちろん英国の、コナン・ドイルの推理小説がもとになっています。

しかも「シャーロック・ホームズ」は、世界中で通じる帽子の愛称にもなっています。

このシャーロック・ホームズに似たものをアメリカで探すなら、「デイヴィ・クロケット」があります。
「デイヴィ・クロケット」は、毛皮帽のこと。
帽子の後ろに長い尻尾が付いているのが、特徴。

正しくは、「クーンスキン・キャップ」の名前があります。
ラクーンの毛皮で作るところから、「クーンスキン・キャップ」。
ラクーンは、アライグマのこと。

昔むかし、アメリカ開拓時代には、アライグマがたくさんいて、農作物を荒らして困るほどだったそうです。

一方、アライグマの毛皮は高く売れる「商品」でもありました。
アライグマをはじめ、ビーヴァーなど射止め、それが職業のハンターも少なくなかったという。

若い頃のデイヴィー・クロケットもそんなハンターのひとりだったのでしょう。
とにかくデイヴィー・クロケットが射撃の名手だったのは、間違いないようです。

本名は、デイヴィッド・クロケット。
でも、みんなは親しみをこめて、デイヴィー・クロケットと呼んだのです。

デイヴィー・クロケットは、1836年3月6日に世を去っています。
いわゆる「アラモの戦い」で。

1836年3月6日。

これも多くのアメリカ人にとっては忘れることのできない日付でしょう。
アラモ砦の守備兵が、全員戦死した日なのです。
この中のひとりに、デイヴィー・クロケットも含まれていた。

その後、デイヴィー・クロケットが英雄になってのも当然でしょう。

🎵 わずか三つで熊退治…………。

そんな風にはじまる『デイヴィー・クロケットの唄』がつくられたほどに。

クーンスキン・キャップはなにもデイヴィー・クロケットだけがかぶったわけではありません。
西部開拓時代のハンターは、自分で仕留めたアライグマから、手作りで仕上げたりしたのでしょう。
が、後にデイヴィー・クロケットがあまりにも有名になったので、「デイヴィー・クロケット」の愛称が生まれたのでしょう。

アライグマの尻尾には、黒の横縞が入っています。
もし、デイヴィー・クロケットのテイルに、黒の縞があったなら、それはほんとうにラクーンの毛皮から作っていることの証明にもなるのでしょう。

もっともファッションとしてかぶるなら、もっと新しい素材ということもあって良いと思います。

ただ、1836年に「アラモの戦い」があったことは、覚えておきたいものですが。