フェザーの伝説 #079

ロンドンには、コヴェントガーデンがあります。
ロンドンの中心部でもあり、劇場の多いところでもあります。

かの有名な映画『マイ・フェア・レディー』もまた、コヴェントガーデンから幕が開きます。
上流貴婦人たちがコヴェントガーデンで芝居を観た後、外に出ると雨が降っていて。
そこに花売娘のイライザが登場する場面。

コヴェントガーデンは1974年までは中央市場のあった所。
日本でいえば築地に似ていなくもありません。
中央市場と劇場街とが同居していたわけですね。

故き佳き時代のコヴェントガーデンが出てくる小説に、『ドリアン・グレイの肖像』があります。
オスカー・ワイルドが、1891年に発表した物語。
いや、オスカー・ワイルドの代表作ともとも言えるものでしょう。

この中に。

「だらしのない身なりの帽子もかぶらぬ娘たちが………………」。

この場所もまた、コヴェントガーデンなのです。
つまり1891年頃には、「帽子もかぶらぬ娘」は、「だらしない身なり」だと考えられていたのでしょう。

オスカー・ワイルド著『ドリアン・グレイの肖像』には、こんな描写も出てきます。

「宝石で留めた鷹の羽がついているかわいい緑色の帽子をかぶり…………」。

これはある美少年の姿なのですが。

帽子に羽根を挿す習慣は、古代からあったようです。
もともとは、弓の達人、狩の名人のいみがあったものと思われます。

さあ、帽子にはぜひ羽根を飾ろうではありませんか。