マコ・ハットの物語 #084

セーラー服というのがあります。

日本の女の子なら、一度くらい着たことがあるでしょう。
女学生の制服としても。

セーラー服の特徴は、背中のセーラー・カラーにあります。
あのセーラー・カラーの歴史もずいぶんと古いんだそうです。
1850年代のイギリスではじまったとか。

1950年代の英国の船員の間で、弁髪が流行った。
中国風の髪型として。
要するに、「男のおさげ」であります。

弁髪の流行はどうしても背中の真ん中だけが汚れる。
で、その汚れる部分だけを取り外して洗えるようにした。
それがセーラー・カラーのはじまりなのです。

1864年に。
英国の船員が、当時のエドワード皇太子にセーラー服をプレゼント。
それで子供たちがセーラー服を着るようになったと、伝えられています。

セーラー服が出てくる小説に、『放浪時代』があります。
龍膽寺雄が、昭和三年に発表した物語。
この中に。

「彼女は白い水兵服につばの狭い白い麦稈といった………………」。

「水兵服」の横に「セーラー」のルビがふってあります。

「彼女」とは、「魔子」という女性。

「つばの狭い白い麦稈」は、どんなストロー・ハットなのでしょうか。

セーラー服にも似合う、「魔子」にも似合う、ストロー・ハット。

「マコ・ハット」と命名して、拵えてみましょうか。