ブイヤベース・ハットの物語 #082

ブイヤベースという料理があります。

もとは南フランス、マルセイユの素朴な鍋料理だったという。
プロヴァンスあたりは、今も昔も魚が豊富なところですから。

魚、蝦、貝……、材料はなんでもよろしい。
とにかくサフランとニンンクで香りづけする料理です。
美味しくて、身体が温まってきます。

ブイヤベース bouillabaisse は、「ブイユ」 bouillir した後、「アベセ」 abaisser するので、「ブイヤベース」になったという。
ブイユは「煮立てる」。
アベセは、「とろ火」。
まあ、言われてみると、その通りなのでありますが。

それはともかく、「ブイヤベース・ハット」というのがあるんだそうです。

1937年に、英国の、アイリーン・アガーというお方が創った作品。
平たいストロー・ハットの上に、ブイヤベースに用いる具材がたくさん載せられているので、「ブイヤベース・ハット」。
それに美しい女の人が、眩しい太陽の浜辺でブイヤベースを食べるときにも、邪魔になりませんからね。

私は「ブイヤベース・ハット」のことを、『おしゃれなクララとおばあちゃんのぼうし』で知りました。

『おしゃれクララとおばあちゃんのぼうし』は、美しい童話。
エイミー・デ・ラ・ヘイ作、エミリー・サットン絵の、物語なのです。

クララのおばあちゃんのぼうしがこわれたので、大英博物館になおしてもらいに行くお話。
それというのも、作者のエイミーは、以前、大英博物館に勤めた経験があるから。

『おしゃれなクララとおばあちゃんのぼうし』を読む限り、大英博物館には帽子をなおす部門もありそうです。
そしてまた「ブイヤベース・ハット」も所蔵しているのかも知れませんね。

『おしゃれなクララとおばあちゃんのぼうし』には、「ブイヤベースをたべるときのぼうし」として、出ているのですが。

さて、これを読んだからには、ぜひ「ブイヤベース・ハット」を作ってみたいですね。