ソーラートーピーの伝説 #090

イギリス人がお茶好きなのは、有名な話でしょう。

この場合のお茶が「紅茶」であるのは言うまでもありません。
ティー tea であります。

イギリス人はいつ、どんな時にも、紅茶を飲む。
朝、目が覚めて、ベッドの中で飲む紅茶は幸福の味なんだとか。

イギリスの男は結婚する時、奥さんが毎朝、紅茶をベッドに運んでくれることを夢見る。
イギリスの女は結婚する時、旦那が毎朝、紅茶をベッドに運んでくれることを信じるものなんだそうです。

イギリス人の紅茶の淹れ方。
これは永遠に結論の出ない論議の的でもあります。

『一杯のおいしい紅茶』という随筆があります。
英国の作家、ジョージ・オーウェルの名品。
『一杯のおいしい紅茶』は、1946年に発表されて、今なお古典として愛読されています。

『一杯のおいしい紅茶』の中で、オーウェルは紅茶の淹れ方で、十一の項目を挙げています。
これだけはなんとしても譲れない、と。

その第六番目の条件として。

「ポットを薬缶のそばに持っていきなさい。」

と、書いています。

少しでも沸騰した湯の温度を冷まさないために。

ジョージ・オーウェルはもちろん、イギリス人なら、いつ、どこにいても紅茶が飲みたい。
たとえ熱帯雨林の中でも。
アフリカ探険のリヴィングストン博士も、「熱帯雨林用ポット」で紅茶を飲んだそうですね。
「熱帯雨林用紅茶ポット」、これもまたイギリス人の発明になるものでしょう。

そしてもうひとつの発明が、「ソーラー・トーピー」 sola topi 。

防暑ヘルメットのことです。
もちろん、リヴィングストン博士もアフリカで、かぶったものです。

ソーラー・トーピーをよく見ると分かるのですが、まさに「発明品」熱帯雨林で生き残るための道具であります。

「ソーラー」は、植物の「ムネクサ」のこと。
ムネクサの中には蕊があって、この蕊を断熱材として内側に張ってあるので、「ソーラー・トーピー」。

トーピーは、topee とも書きます。
「トーピー」はもともと、インド、ヒンドスタニー語で「帽子」の意味。
「クサムネの蕊を使った帽子」の意味だったのです。

それはともかく、ソーラー・トーピーは熱帯雨林で命を救う防暑帽であることはいうまでもありません。