ハット・ピンの物語 #090

ジェイムズ・ディーンを憶えていますか。

ジェイムズ・ディーンは、アメリカの映画俳優。
たぶん『理由なき反抗』はご覧になったことがおありでしょう。

ジェイムズ・ディーンは、1955年9月30日に、24歳で世を去っています。ポルシェを自分で運転していて、無謀運転の自動車を避けようとしての事故だったのです。

でも、なぜその時、ジミーはポルシェを運転していたのか。
カリフォルニア、モントレー、サリーナスで開かれるレースに出場するために。
買ってばかりのポルシェなので、レースの前に慣らし運転しようと思ったのです。

それにしても、『理由なき反抗』、『ジャイアンツ』、『エデンの東』。
この三つの映画で、今なお話題になる俳優も、珍しいのではないでしょうか。

そのジェイムズ・ディーンも1954年までは「その他大勢の」売れない俳優の一人だったのだのです。
ジェイムズ・ディーンを一変させたのは、『エデンの東』。
『エデンの東』で、屈折した青年、キャルを演じてたちまち人気俳優になったのです。

『エデンの東』は、ジョン・スタインベックが1952年に発表した長篇小説。
ただし物語の背景は1910年代のサリーナスにおかれています。

どうしてサリーナスなのか。

サリーナスこそ、作者ジョン・スタインベックが生まれ、育った場所だったから。
ここにも微かにジョン・スタインベックとジェイムズ・ディーンとの因縁を感じたりするのですが。

小説『エデンの東』の中に。

「頭には、頭部の小さい、つばのひろい麦わら帽がのっかっていて、黒玉を連ねた長い帽子ピンがその帽子をおさえていた。」

これはキャシーという女性の様子。
「黒玉」はビーズでしょうか。

とにかくキャシーがストロー・ハットに、ピンを使っていたことが分かります。
もちろん、ハット・ピンです。

黒いビーズをあしらってハット・ピン。
キャシーのハット・ピン。

そんなのが、欲しいものですね。