のんちゃん帽子の物語 #092

クリームパンというものがあります。

パンの中にクリームが入っているので、クリームパン。
クリームパンのクリームは、ほんとうはカスタード・クリーム。
どうしてカスタード・クリームなのか。

これはもともとシュークリームからはじまったパンなので、カスタード・クリームを入れることになっているんだそうです。

クリームパンはたいてい、「手」の形をしています。
あれは焼く前に、形が毀れないように、切り目を入れておく。
その切り目が、焼き上がったとき、「手」のように見えるわけですね。

『クリームパン』という民話があります。

民話『クリームパン』は、信州飯田の、中島しげさんの、語り。
この中島しげさんの語りを再録したのが、松谷みよ子。
『クリームパン』は、ざっとこんな話なのです。

しげさんと孫とふたり、キノコ採りに行ったときのこと。

その日はキノコがたくさん採れて、ばあさんも孫も、背負い籠にいっぱい。
思わず遠いところにまで来てしまって。
孫が言う。

「ばあちゃん、クリームパン食べたいよお」。

でも、山の中に、パン屋のあろうはずもない。

「クリームパン食べたいよお」

で、ふっと後ろを振り返ると、切り株の上に、真新しいクリームパンが。
孫とばあちゃんはおいしいおいしいと、クリームパンを食べたとさ。

松谷みよ子の童話に、『あおいぼうしののんちゃん』があります。

のんちゃんは小さな男の子。
のんちゃんはいつもあじさい色の帽子をかぶっていて。
そののんちゃんの帽子がとてもとても素敵なのです。

あじさい色で、クラウンは丸くとんがっていて。
幅の広いぶりはちょうどクリームパンのようにふくらんでいます。

いいなあ。

あじさい色の、「のんちゃん帽子」を作ってみようではありませんか。