水丸帽子の物語 #093

スノードームを知っていますか。

スノードームは丸いガラスのドームで、中に「雪」が閉じこめられている玩具のことです。
スノードームを手に持って、一度逆さまにすると、空から雪が降ってきて、たちまち赤い教会の屋根に白く積る。
もしスノードームの中に教会が入っていたならの話ですが。

ひと時代前の観光地では必ずと言いたくなるほど、スノードームが並べられていたものです。
最近の観光地でのスノードームはどんな風なのでしょうか。

スノードームは、1889の巴里にはじまる、との説があります。
スノードームも思いのほか古いようですね。

スノードームが大好きだったのが、安西水丸。

安西水丸は優れた挿絵画家でありました。
が、その一方で、スノードーム蒐集家だったのです。
とにかく、「日本スノードーム協会」の会長でもあったのですからね。
安西水丸は、千や二千のスノードームを蒐めていたはずです。

安西水丸はスノードームを蒐めるかたわら、童話も書いています。

たとえば、『クッキーのぼうしやさん』。
『クッキーのぼうしやさん』は文章はもちろん、絵もまた、安西水丸。

ここでの「クッキー」は、黒いうさぎの名前。
その黒いうさぎの「クッキー」がぼうしやさんを開いているので、『クッキーのぼうしやさん』という童話なのです。

「クッキーのぼうしやさん」は、森の中にあって、来るお客はみんな動物たち。
しかさんが来たり、くまさんがきたり、もぐらさんがきたり、きつねさんがきたり、ぞうさんが来たり。

しかさんには、「もみの木のぼうし」を。
そのしかさんの「もみの木のぼうし」がとても似合ったので、クッキーは記念の写真を撮ってあげます。

くまさんには、葡萄の蔓で編んだぼうしを。
この葡萄の蔓で編んだぼうしも、くまさんにぴったりだったので、クッキーは記念写真を。

安西水丸著『クッキーのぼうしやさん』は、言うまでもなく童話であります。
でも童話である『クッキーのぼうしやさん』には、なんと教えられることが多いのか。

お客に似合った帽子があったら、記念写真。
それは今でもすぐにできることですよね。

それから、葡萄の蔓で編んだ帽子も。

『クッキーのぼうしやさん』を参考に、「水丸帽子」を作ってみようではありませんか。