ズキン・キャップの伝説 #016

日本に西洋式の帽子が入ってくるのは、明治になってからのことです。

でも、それ以前に帽子らしきものがなかったわけではありません。

たとえば、「烏帽子」。

これは烏のように黒いものが多かったからでしょう。
烏帽子は主に武家の被ったもの。

一般市民のものとしては、頭巾がありました。

今でもよく知られているのは、宗十郎頭巾。
これは当時有名だった歌舞伎役者、澤村宗十郎が考えたので、その名前があります。

映画などで鞍馬天狗が被っている頭巾、あれが宗十郎頭巾なのです。

宗十郎頭巾はほんの一例で、江戸時代以前には数多くの頭巾があり、また愛用されたのです。

その中のひとつに、宗匠頭巾があります。

宗匠頭巾はラウンド・キャップに似ています。
ごくシンプルな布製の頭巾。
たとえば千 利休が被っていたのも、宗匠頭巾。

「宗匠」とは今の「先生」近い言葉。
お花やお茶、あるいは俳句の先生なんかがよく被った頭巾。
だから、宗匠頭巾なんです。

宗匠頭巾の良いところは、軽くて、部屋の中でも被っていいとされること。
また、二つ折りにすると、ポケットに入れておくこともできるでしょう。

「ズキン・キャップ」として愛用したいものですね。