元服帽の物語 #107

昔あって、今ないものに、「元服」があります。
元服を行うための儀式を、「元服式」といったわけです。

たしかに元服はないけれど、成人式はあるよ。
そうおっしゃるむきもあるでしょう。
が、元服式と成人式とはかなり違うのです。

第一、年齢が違う。
昔の元服はだいたい十四歳とか、十五歳くらいだったのです。

では、元服式はどんなことをしたのか。

まず子供の髪型を、大人の髪型に変えた。
子供の髪型は、「美豆良」。
これは真ん中で分けて、耳のところで、髷にする型。
これに対して大人の髪型は、髪を切り揃えて、髷を作り、髷を頭の上に置く。
これを、「髻」 ( もとどり ) と呼んだものです。

髪型を変えたところで、冠をかぶる。
ですから元服のことを、「加冠」とか、「初冠」とか、「冠礼」とも言ったわけです。

要するに、今の時代でいうなら、大人の帽子をかぶる式でもあったのです。

そこで、男、十五歳になったら「加冠の儀」で、ソフト・ハットをかぶりましょう。

色はライト・ブルーで、ナロウ・ブリムのソフト・ハットを。

まさしく、「元服帽」であります。