ハメット・ハットの物語 #109

ここでのハットが、ダシール・ハメットのことであるのは、いうまでありません。

ダシール・ハメットは、ハードボイルド小説の生みの親とも言われている人物です。
ハードボイルド小説は、無駄のない、スピーディーな文体のこと。
それを創造したのが、ダシール・ハメットだったのです。

ダシール・ハメットに憧れたのが、レイモンド・チャンドラー。
レイモンド・チャンドラーに憧れたのが、ロバート・B・パーカー。
もし、ハメットがいなければ、チャンドラーもパーカーも誕生しなかったかも知れないほどです。

今、たまたま、ダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラー、ロバート・B・パーカーの名前が出てきました。
が、このお三方の中で、断然ダンディだったのも、ハメットなのです。
いや、1930年代のアメリカの作家の中で、もっとも洒落者だったのが、ダシール・ハメットなのです。

では、ハメットはどんな帽子が好きだったのか。

ソフト・ハット。ダーク・グレイのソフト帽。
少しツバ広で、それを軽く傾けて、かぶる。
もちろん私は写真でしか見たことがないのですが、涙がこぼれるほどに、様になっています。

ハメットが1930年に発表したのが、『マルタの鷹』。
ハードボイルドの古典であります。
名作。
何度も映画化されてもいます。
この中に。

「ゆるやかなツイードのオーバーをはおり、ダーク・グレイの帽子をかぶった。」

これは、探偵のサム・スペイドが、事件の捜査のために、自宅を出ようとしている場面。
まあ、ハメットの分身と言っても良いでしょう。
つけ加えておきますと、スーツも靴下も、ダーク・グレイなのですね。

それはともかく、「ハメット・ハット」を再現しようではありませんか。