セツ・キャップの伝説 #113

今、ひと言「セツ」と言って、「ああ、あの人!」と思い出すお方は、よほどのファッション通といって良いでしょう。

セツ、通称、「長沢 節」。

ファッション・イラストレイターの第一人者でありました。
現在、活躍中のイラストレイターは、多かれ少なかれ、長沢 節の影響を受けている、そう言って過言ではないでしょう。

長沢 節は、珈琲が好きで、映画が好きで、美しいものがお好きでした。
大正六年。会津、若松のお生まれ。

でも、おいくつになっても、「万年青年」で、年齢を超越した人物でもありました。
そういえば、男とか女とかも楽々と超越したところがありました。
とにかくお描きになる絵と同じく、「既成概念」がお嫌いでもありましたね。

1999年。八十二歳で世を去るまで、美しい人生を貫いた稀有なお方でした。

長沢 節がお好きだったもののひとつに帽子があります。
いつ、どんな時にも、帽子をかぶっていたものです。

それは、多く、ベースボール・キャップ。

ベースボール・キャップなんですが、色とりどりで、派手。
明るく、賑やかなベースボール・キャップ。
中には、花柄のベースボール・キャップもあったほどに。

そうだ、これからは花柄のベースボール・キャップを、「セツ・キャップ」と呼ぶことにいたしませんか。