帽子名言の伝説 #120

おしゃれについての名言は、いくつかありますよね。
たとえば。

「ウールのコートの上手な着こなし方は、それがまるで毛皮のコートでもあるかのように扱うこと。
毛皮のコートの上手な着こなし方は、それがまるでウールのコートでもあるかのように扱うこと。」

これは、ピエール・バルマンの名言なんだそうです。
ピエール・バルマンは、戦後のパリのオートクチュール界で、クリスチャン・ディオールと肩を並べる存在であった人物。
なるほど、深く言葉だと、納得させられてしまいます。

では、帽子名言は。
どうも服装にくらべて少ないようにも思うのですが。
ひとつだけ。

「帽子は静的な付属物で、飛び立たんばかりにかまえている鳥のようなものだ。動かないからこそ、人間の顔に動きを与えてくれる。」

これは、ユべール・ド・ジヴァンシーの名言。
セシル・ビートン著『 「マイ・フェア・レディ」日記』に出ています。

時は、1964年。
セシル・ビートンがハリウッドで、『マイ・フェア・レディ』の映画衣裳に取り組んでいた時。
パリからジヴァンシーが激励に。
もちろんこれは友人でもあるオードリー・ヘップバーンへの敬意ということもあったでしょう。

セシル・ビートンがジヴァンシーにデザイン画を見せると。
「すごい! これだけあれば、ぼくの六回分のコレクションができるよ」
とも、言ったらしい。

そのあとで、帽子の話になって。
ジヴァンシーは、このように、セシル・ビートンに言ったという。

それをちゃんと聞いて、しっかり書き遺してくれたビートンもお美事。
人は誰も、相手の言葉なんて右から左なのですから。

成功者は名言を名言として掬い取る人のことかも知れませんね。