ファリュッシュの物語 #122

むかしフランスの学校に、「ファリュッシュ」という名の帽子があったんだそうです。

fal uch e と書いて、「ファリュッシュ」と訓みます。

このファリュッシュは、黒いヴェルヴェットのベレーに似た帽子で、ハット・バンドの部分に各色のリボンが付くのが、特徴でありました。
このリボンの色でそれぞれの学校やクラスが分る仕組みになっていたのです。

この帽子が後に街中でかぶる帽子にもなって、名前もそのまま「ファリュッシュ」となったのであります。

そして「ファリュッシュ」は、かぶり方の名称でもあるのです。
後頭部に深くかぶるやり方を、「ファリュッシュ」。
女の人がシャワーを使う時に、シャワー・キャップをかぶることがあります。
あのシャワー・キャップのかぶり方にも似ています。
後頭部に深くかぶること。

ただ単に、「深くかぶること」を、「アンフォンセ」 enf onc er と言います。
眉が見えないくらいに、深くかぶることです。

あるいはまた、「アンボアテ」 enbîer というのもあります。
これは「まっすぐ深くかぶること」。
アンボアテは、もともと「嵌め込む」という意味のフランス語なのです。

同じ帽子でも、かぶり方によってその印象が大きく変ってくるのは、いうまでもないでしょう。