エンニンの物語 #123

「エンニン」という名前の帽子があるのをご存じですか。
h enn in と書いて、「エンニン」と訓みます。

もし、英語なら「ヘンニン」となるのですが。
フランス語は「h」を発音しないことが多いので、「エンニン」となるわけですね。

エンニンは、中世の貴婦人の間で流行した帽子。

長い長い、円筒形の帽子。
長さは、120㎝くらい。
先にいくほど尖っている帽子。
とても今の時代の満員電車には乗れない帽子であります。

でも、十五世紀のレディは、エンニンをかぶり、さらにはエンニンに薄いスカーフを巻きつけて、しゃなりしゃなりと歩いてのだそうです。
まさに、中世ならでは帽子であったのでしょう。

エンニンは長い間、忘れ去られていました。
が、1962年になって、エンニンは蘇る。
ピエール・カルダンの手によって。
ピエール・カルダンは、先を短くしたエンニンを発表して、人気となったのです。

それはハイヒールをひっくり返したような帽子で、まことにカーヴの美しい帽子でありました。
カルダンはそれに、「エンニン」と命名したものであります。

さすがは、ピエール・カルダンですね。