チャーミング・トークの物語 #130

ロンドンに行きますと、ナイツブリッジに「ハロッズ」というデパートがあります。

ロンドンっ子で「ハロッズ」を知らない人は誰もいません。
なんでもヨーロッパ最大のデパートなんだそうです。
一歩、中に入ると、そこは巨大な都市になっています。
およそ無いものは無い百貨店なのです。

創業は、1849年。小さな食料品店だったという。
ヘンリー・チャールズ・ハロッドがはじめた店なので、「ハロッズ」。

ハロッズのモットーはまことに単純、解りやすいものです。
「エヴリシング・フォア・エヴリワン、エヴリフェア」。
いかなる商品も、いかなるお方がお求めになる商品も、いかなる場所へもお届けいたします。

でも、言うはやすく行うは難し、ではありますが。

むかし、戦前のこと。真夜中に一本の電話がかかってきました。
その頃のハロッズでは、夜間でも電話の応対があったらしい。
電話の客は、アメリカの政治家。

「今すぐ、子象を、届けてもらいたい」

それから夜警はいろいろ偉い人に相談して、結局、子象は無事届けられたそうです。

1919年にハロッズが売り出したものに、「チャーミング・トーク」があります。
「チャーミング・トーク」はその時代のハロッズが命名したもの。
トークはトークなのですが、その全体を生地で作った花をあしらった帽子。
それで、「チャーミング・トーク」。

どうしてそんなことが分かっているのか。

その時代のハロッズは通信販売のための立派なカタログを出していたからです。

カタログはともかく、「チャーミング・トーク」ぜひ復活させたいものですね。