白い羽根飾りの伝説 #132

宝塚劇場では、「男装」ということがあります。

舞台上で、女が男の服装を身に着ける。
宝塚での男役を観て、「きれいなお兄さんだなあ」と思う人はまずいないでしょう。
宝塚での原則は女による演劇。
そのための必要から、女が男のフリをするわけです。

これは歌舞伎での女形とよく似ています。
歌舞伎に女は登場しないことになっています。
ために、男が女に成り代るのであります。
必要は発明の母といったところでしょうか。

男装の歴史は少なくとも中世のフランスにもあったらしい。

たとえば『シャルルマーニューの伝説』を読んでいても、美しい男装の女性が出てきます。
シャルルマーニューは、カール大帝の時代で、つまりは騎士の時代でもあったのです。

ある時、森の中で一人の勇敢な騎士が休んでいると、また別の騎士が馬で通りかかる。
白い盾を持ち、白い、大きな羽根を兜に挿した騎士が。
それで、休んでいた騎士は、白い羽根の騎士に勝負を挑む。
白い羽根の騎士は簡単に相手を倒す。「いざ、勝負!」と言ったほうの騎士は馬の下敷きになって、気を失う。

後で聞いたみるとそれは美貌で有名な、アンジェリカ・ブラダマンテだったという。
アンジェリカ・ブラダマンテはなにかの必要から、男装していたものと思われます。

アンジェリカ・ブラダマンテの場合には、兜に白い、大きな、羽根飾りだったのですが、現代でも帽子には羽根を飾りたいものです。

もっともたったそれだけで、「男装」と洒落こむわけではありませんが。