持つ帽子の伝説 #136

「持つ帽子」でありまして、待つ帽子ではありません。

柄にもなく英語でいいますと。
「ウイズ・ハンド・イン・ハット」ということでしょうか。

帽子はそれがハットであれキャップであれ、ただかぶるだけではありません。
かぶることもあれば、脱ぐこともある。
では、脱いだときどうするのか。「手で持つ」。
だから持つ帽子についてお話しましょう。

脱いだ帽子を自分の左前に置くことがあります。
ただ置いただけでは引力の法則によって、下に落下するでしょう。
左の胸に帽子を置いて、右手で支えれば、引力の法則に逆らうことができます。

たとえば、国旗掲揚などの時に、国家元首などがこれをやっております。
つまり帽子を左上に置くことで、国家掲揚に対して、敬意を表しているのです。
左上の帽子、これはもっとも正式な、ウイズ・ハンド・イン・ハットでありましょう。

脱いだ帽子を持つ。
たしかにその通りなのですが、むしろ「支える」くらいに考えたほうが良いかも知れません。
極端な話ですが、クラウンをわしずかみにするのは、いちばん避けるべきです。
やってはいけません。

むしろ持つなら、ブリムです。
ブリムをクラウンに折返すようにして、右手をクラウン内側に添える。
これは皆さんもよくやったりするはずです。

ウイズ・ハンド・イン・ハット。
これなら、ブリムもクラウンもほとんど傷めることはありませんから。

もし、手袋があるようなら、手袋をブリムの内側に畳むように、持つ。

これは紳士の粋な持ち方とされるのです。