カラミストルムの伝説 #144

古代ローマの女の帽子はどうだったのか。
さあ、どうなんでしょう。

少なくとも今からざっと二千年ほど前の話ですからね。
古代ローマはかなりの階級差があって。
ここでは貴族の淑女についてお話いたしましょう。

貴族の淑女が、自分一人で服を着ることがありませんでした。
侍女に手伝ってもらった。
この着付け係の女を、「オルナートリックス」と呼ばれたのです。

このオルナートリックスが、貴婦人の着付けを手伝った。
髪型も同じように、オルナートリックスが担当した。
それは凝りに凝った髪型だったのです。

その凝った髪型に仕上げるための道具が、「カラミストルム」でありました。

これは、「焼き鏝」。
炭火を熾して熱し、これで髪にウエイヴを付けたのです。

この凝った髪型のために、帽子は主役ではありませんでした。
が、帽子がなかったわけではありません。

後頭部にキャップを乗せた。
それは今の「シニヨン・キャップ」に似たものだったのです。

このように考えてくると、シニヨン・キャップの歴史にも、ずいぶんと古いものがあるのですね。