ソウサー・ブリムの物語 #143

紅茶を飲むとき、どんな風に飲むのか。

まあ、それがミルク・ティーであったとして。
好みの紅茶カップに注いで、唇に運んで、飲む。
たいていのお方はそんな風に紅茶を飲んでいるはずでしょう。

でも、むかしの英國では必ずしもそうではなかったらしい。
紅茶カップから一度、ソウサーに移してから、飲んだ。
つまり紅茶茶碗の受皿から直接に、飲んだ。
そもそもソウサーは、そのためにあるんだ、との説もあるくらいです。

ただし、今現在では、ちょっと古くさい、ちょっと田舎風の飲み方だとされるようですが。

昔、エリザベス女王が国内旅行中。
たまたま郊外の農家で一休みすることがあった。

「これはこれは、女王様が……………」というので、紅茶が出た。
その時、エリザベス女王は、紅茶を一度、ソウサーに移してから、お飲みになった。
これでますます女王の人気が高まったそうですね。

もちろんエリザベス女王は、バッキンガム宮殿で紅茶を頂く折には、カップを口に運ばれることでしょうが。

紅茶と帽子。
なにか、関係があるのか。あるんですね。

「ソウサー・ブリム」saucer brim というのがあります。

ブリムはふつう、ごく自然に前下がりになったいます。

でも、それとは逆に、上に反り返っているツバのことを、「ソウサー・ブリム」。

もちろん、受皿の形に似ているからです。

美味しいミルク・ティーを飲むときにも、ツバが邪魔にならなくていいのかも知れませんね。