値段の伝説 #153

昔むかし、イギリスでの帽子の値段は、どんなふうだったのか。

たとえば、ヴィクトリア時代に。

英國のヴィクトリア時代とは、1837年から1901年までの間のこと。

もちろんイギリスの、栄光の時代でもあります。
つまり、ヴィクトリア女王は名君だったと言ったよいでしょう。

ヴィクトリア時代の帽子の値段。

ひとつの例として、トップ・ハット。

ヴィクトリア時代のはじめには多くビーヴァーの毛皮を使った「トップ・ハット」であり、ヴィクトリア時代後半には主として、シルク・ハットであったのですが。

ひと口にトップ・ハットと言いましても、ピンからキリ。
比較的お安いもので、労働者の賃金の二週間分だったという。

これを仮に月に五十万円だったとすると、二十五万円前後だったことになるでしょう。

一方、わりあい上等なトップ・ハットだと、賃金の三か月分だったそうです。
これも想定ではありますが、ざっと百五十万円ということになります。

つまり、英國、ヴィクトリア時代の帽子は、「絶対に」必要だったにもかかわらず、決してお安くはなかったのです。

その結果、どうなったのか。

トップ・ハットを、大切にするようになった。
長く、かぶるようになった。
これで、トップ・ハットに、丁寧な作りの、風格が生まれたとの説もあります。

時と場合によって。

ある程度、帽子には立派なお値段がついていてもいいのかも知れませんね。