アプリコット・ハットの伝承 #160

アプリコットは、「杏」のことであります。
つまり、ここでは「アプリコット色の帽子」だと、考えていただきたいのです。

アプリコット色の帽子が出てくる詩に、『エステル』があります。
『エステル』の詩を書いたのは、十九世紀の詩人、フィッシェ兄弟。
それを訳したのが、堀口大學。

フィッシェ兄弟の『エステル』は、たぶん古今東西、
もっともユウモアあふれる詩だと私は勝手に考えています。

『エステル』は、巴里のレザーを扱うポール・フェルドスパの日記という形の詩なのです。

社長のポールが新しく、エステルという秘書を雇うところから、日記がはじまります。

結局、社長のポールは秘書のエステルに、「ほの字」に。
それでエステルに、ドレスや帽子を買うことに。14日の日に、アプリコット色のドレス。
15日に、アプリコット色のハット。
これはたぶんドレスの色に合わせてんでしょうね。

まあ、ざっとこんなふうに、詩から帽子の勉強をすることもできるわけですね。