変身帽子の伝説 #154

変身願望。これは多少なりとも、誰にもあるのではないでしょうか。
もちろん、私にだって変身願望はあります。

自分とは別の人間になった、一日を過ごしてみたい。
別人になって、馴染みの店をのぞいてみたり。
ごくささやかな変身願望が、変装ではないか、とも思うのですが。

でも、おしゃれをすることには、何%かの「変装」が含まれています。
そして、もっとも手軽な「変装」が、帽子。
いつもと違う帽子をかぶってみるのは、軽い変装であります。

「彼が二つのホンブルグ帽と二つのつけひげを持ってわたしの部屋に現れたときはびっくりした。」

1991年に、イギリスの作家、J・R・ハートリーが発表した『イギリスの釣り休暇』の一節です。
これはたしかに釣りの本ではありますが、優れたユウモア小説にもなっています。

なるほど。
つけひげと、ホンブルグ。

変装にはぴったりでしょう。

こんなふうに、ちょっとした「変装」だと思えば、たぶん選ぶ帽子の幅が拡がることでしょうね。