東大ベレーの伝説 #180

「帽子といふものが服飾で重要なファクターであることは昔も今も變りない。」

岸田日出刀というお方が、『ベレー帽』と題する随筆の中に、
そのようにお書きになっています。

昭和二十六年の、『美しい暮しの手帖』第十一号に。

この頃までは、『美しい暮しの手帖』だったようです。
そして文字遣いも、旧仮名が多く見られます。
今から六十年ほど前のことですからね。

岸田日出刀は、当時、東大の工学部の教授だった人物。
その岸田先生が、東大の生徒のベレーについて語っている文章なのです。

最近の学生は角帽ではなく、ベレー帽をかぶるようになった、と。
これはなにも東大ばかりではなく、戦前の大学生は皆、角帽をかぶってものです。

ということは、昭和二十五年頃から、角帽に代えて、
ベレー帽を頭に載せるようになったものと思われます。
これは日本でのベレーの歴史を考える上で、貴重な資料となるでしょう。

また、あらためて、ベレーがかぶってみたくなりましたね。