紳士帽子の伝説 #175

いつの時代であっても、紳士は帽子をかぶるものです。
いや、男というものは、帽子を頭に戴くことによって、紳士になるものなのです。

たとえば。

「襟飾りも、帽子も、上衣も着ていなさらない。
 知らない人だったら魂消てしまいますよ。」

ヴィクトル・ユゴーが、1862年に発表した『レ・ミゼラブル』の一節。
もちろん、ジャン・ヴァルジャンの様子。

まあ、時代が違うといえば、それまでではありますが。
実は、帽子には大きな力が潜んでいるのです。

帽子は男の「霊気」が頭から抜けてゆくのを、防いでくれる。
「霊気」が内に籠るからこそ、立派な男になれる。
つまり、誇りある紳士に。

もう一度、帽子の精神作用を考えてみましょう。