むぎわら帽子の伝説 #184

むぎわら帽子は、ストロー・ハットのことです。
むぎわらを使って編んだ帽子が、ストロー・ハット。

ストロー・ハットは人類の歴史とともに古いものです。
人が麦を育て、それを原料として食物を作った時代から。
人は、麦の穂の中身を食べる。
残った麦藁は必要がない。
そこで、むぎわら帽子を編んだのでしょう。

では、なぜ、麦藁なのか。
それはむぎわらが軽いこと。
軽いから、鍔を広く編むことができたのです。
それに麦藁を編んで仕上げるわけですから、風通しが良かったからでもあります。

麦を食べる民族は、その昔みんなむぎわら帽子をかぶったに違いありません。
むぎわらの材料は、只。
また、自分で編めば、これまた只だったでしょう。

戦前の日本は、むぎわら帽子輸出国でもあったのです。
しかし今は、麦を育てること少ないので、多くは輸入に頼っているようですが。

1966年頃のむぎわら帽子は、いくらくらいだったのか。
200円。
なぜ、そんなことが分かるのか。
武田百合子著『富士日記』に出ているからです。

「麦わら帽子二個四百円、サンダル三百円………………」。

昭和四十一年七月二十八日の『日記』にそのように書いています。

武田百合子は、作家、武田泰淳の奥様。
「二個」というは、ご自分と、武田泰淳の分だったのでしょう。

今から六十年近い前ですが、やはり値段はあがるものですね。