シリンドリカル・ハットの伝説 #185

1960年代に、ピエール・カルダンが紳士服を発表したことがあります。
当時としては、先鋭的なモードとして話題となったものです。

それ以前のピエール・カルダンは、主に婦人服。
中でも「タイユール」の名手でありました。
「タイユール」とは、「男仕立て」のこと。

それというのも、ピエール・カルダンは、
もともと紳士服からモードの世界に入った人物だったから。
つまり、カッティングの美事さで服を仕立てる技術のことです。

ピエール・カルダンの斬新な紳士服は、「リーニュー・フルーレ」と形容されたものです。
フェンシングの剣のように、細く、長いシルエットというわけです。

この「リーニュー・フルーレ」のための帽子が、
「シリンドリカル・ハット」だったのであります。
「細く、長い帽子」。
それはちょっと、シルク・ハットにも似たスタイルだったのです。

ただし、ピエール・カルダンのシリンドリカル・ハットは、
土台を使わずに、カッティングだけで仕立てられていたのですが。

今一度、「シリンドリカル・ハット」を復活させたいものですね。