角帽の伝説 #225

角帽は今はあまり一般ではありませんが。
戦前の大学生はたいてい角帽をかぶったものです。

角帽に「カンロクをつける」と称して、ポマードなどを塗ったもの。
つまり新しい角帽では押しが効かないので、
なるべく古びた印象を与えるように工夫したものです。

「お光は胸を躍らした。
角帽、金釦 ーー 色の白い眉の昂つた好男子。」

田山花袋が、明治四十二年に発表した短篇『妻』にも、「角帽」が出てきます。

角帽は大学生の象徴であり、尊敬に値する存在だったことが、窺えるでしょう。

同じく小説ですが。
尾崎紅葉の『此ぬし』には、「角帽子」と書いてあります。
どうも「角帽」とともに「角帽子」の言い方もあったようですね。

角帽であるかどうかはさておき。
それをかぶっただけで、「尊敬」される帽子なら、ぜひ欲しいものであります。