クリムト・ハットの物語 #260

クリムトは、グスタフ・クリムトのことであります。
グスタフ・クリムトは、世紀末のウイーンで活躍した絵師に他なりません。

今なお、ウイーンの街に行くと、ここそこにクリムトの複製を見ることができるほどです。
極端な話、チョコレートのパッケージや、
手帳の表紙にクリムトの絵が描かれているくらいに、
クリムトは、「恍惚の表情」を多く描きました。
「歓喜の表情」でもあります。
これらの歓喜の表情は、一度見ると、忘れられないくらい印象的であります。

とにかくクリムトは、世紀末の妖艶な女を多く描いた絵師なのです。
が、当のグスタフ・クリムトは、古代ギリシアの「キトン」に似た
ワンピース型の衣裳を晩年に、愛用したという。
なんだか世捨人のような服を着て、世紀末の「宿命の女」を製作したのでしょう。

1909年に、グスタフ・クリムトが描いた絵に、
『帽子と羽根のえりを着けた女性』があります。
現在は、ウイーンの「オーストリア美術館」の所蔵となっています。

『帽子と羽根のえりを着けた女性』は、黒を多用した色調で、
女の顔だけが、白く浮きあがっています。

女の名前は定かではありません。
が、クラウンの大きな帽子をかぶっているのです。
いや、クラウンとブリムとが一体化したような不思議な帽子なのです。

おそらくは内側で、二重構造になった帽子だろうと思われます。

この二重構造の帽子を研究して、復元したいものです。