コウジ・ハットの物語 #245

コウジと訓める名前は、少なくないでしょう。
が、ここでのコウジは、「虹児」と書きます。
蕗谷虹児。
戦前に、一世風靡した画家の名前です。

蕗谷虹児はことに可愛い、美しい少女を描くのが得意でした。
その意味では当時、竹久夢二とならぶ美人画家だったのです。

蕗谷虹児は、明治三十一年に、新潟県新発田に生まれています。
今も新発田には、「蕗谷虹児記念館」があって、
多くの蕗谷虹児の絵を観ることが出来ます。

昭和十年代に、『令女界』という人気の女性誌がありました。
この『令女界』の表紙に筆を採ったのが、蕗谷虹児だったのです。

たとえば、昭和十三年『令女界』九月号の表紙には、
優雅な帽子をかぶった美人が描かれています。
その表紙の美人は、まるでメビウスの輪のような凝ったブリムの帽子になっています。

ほんとうに「メビウスの輪」に似ているかどうかはさておき、
もう一度、蕗谷虹児を見直したい。
ことに蕗谷虹児が描いた帽子を見直したいのです。

名づけて、「コウジ・ハット」というのはいかがでしょうか。