ルーベンス・ハットの物語 #247

ここでのルーベンスは、偉大な画家、ペーテル・パウル・ルーベンスのことです。
今の、オランダの藝術家であります。

ルーベンスはたしかに画家であり、多くの傑作をも遺しています。
が、それはルーベンスのひとつの顔で、ルーベンスは実は多彩な人物でもありました。

当時、ルーベンスは七カ国語に堪能だったという。
そのために、外交官としても重宝されたそうです。

たとえば、1603年頃には、スペイン国王のフェリペ三世の使者として、
スペインに赴いています。
スペイン宮廷では大切にもてなされて、多くのスペイン貴族の肖像をも描いているのです。

ルーベンスは画家としても、また外交官としても、幸福な人生だったと言えるでしょう。

ルーベンスは1640年5月30日に、六十三歳で、世を去っています。
その少し前、1639年頃に、ルーベンスは『自画像』を描いています。
ルーベンス最晩年の姿を。

ルーベンスはマントを着て、大きな帽子をかぶっています。
それは「ワイド・ワイド・ブリム」の帽子。

一体全体、帽子のつばはここまでも広くできるのか、と言いたくなってくるほどの帽子なのです。
まさに、「ルーベンス・ハット」と名付けるべきでしょう。