レーピン・キャップの物語 #251

ここでのレーピンは、イリヤ・レーピンのことです。
イリヤ・レーピンはロシアの偉大な画家の名前であります。
1844年8月5日に、この世に世を受けています。

レーピンの写実、迫力、情熱では群を抜いている藝術家と言えるでしょう。

レーピンが、サンクト=ペテルブルクに出たのは、
1863年のことだと考えられています。
レーピン、十九歳ころのことです。
もちろん、画塾に入るためでありました。

そのレーピンの代表作といって良いものに、
『ワルワーラ・イワノヴナ・イクスクル・フォン・ヒルデンバント男爵夫人の肖像』
があります。
1889年の制作。
今は、「国立トレチャコフ美術館」所蔵となっています。

カルル・イスクル・フォン・ヒルデンバント男爵は、当時、ローマ大使を勤めた人物。
その奥方が、ワルワーラ・イクスクル。美貌の持主でありました。

ワルワーラは、白い壁の前に赤いブラウスを着て、誇らかに立っています。
赤いブラウスのウエストには、同じく赤のベルトを締め、
頸には大きなスカーフを結んでいます。
上半身はすべて、赤。それに黒のゆったりとした黒のスカート。

帽子がまたユニイクで、チューリップの花びらのよう。
花びらの先端がひとつふたつ、自然に垂れているようなスタイルなのです。

「ワルワーラ・ハット」であり、「レーピン・ハット」でもありましょう。