誠一帽子の伝説 #257

誠一という名前は決して珍しいものでもありません。
でも、堀内誠一といえば、思い出す方もいらっしゃるでしょう。

堀内誠一は、まず第一に、優れた絵師でありました。
絵師ですから、たくさんの愉しい絵本をも作っています。
が、堀内誠一の活躍の舞台は、絵本にとどまりませんでした。

巧みなアート・ディレクターでもあったのです。
たとえば、雑誌の『アンアン』や『オリーブ』などは、
堀内誠一の手を経て世に出ていたのです。

堀内誠一はまた、夢見る旅人でもあったのです。
忙しい予定を縫って、こよなく旅を愛した絵師でありました。

旅の果てにパリに長く住んだことも、よく知られている通りです。

そしてまた、堀内誠一は帽子好きの男でもあった。
それに、帽子がお似合いの男でもあったのです。

堀内誠一が旅に出る時に、よくかぶったのが、キャスケット。
キャスケットは、鳥打帽のこと。
鳥打帽にもいろんなのがありますが、堀内誠一がお好きだったのが、
ワン・ピースの鳥打帽。
つまり「一枚天井」の、フラットなキャスケットだったのです。
もちろんトゥイード地のスモール・チェックが多かったようです。

あの堀内誠一が愛したキャスケットを、ぜひ再現してみたいものです。