ビーヴァー・ハットの伝説 #294

ビーヴァーは、むかしから帽子づくりには欠かせない貴重な素材でありました。

beaver と書いて、「ビーヴァー」と訓むこと、申すまでもありません。
川辺に棲む小動物。
このビーヴァーの毛皮が、とても優秀なのです。
とにかく川の中でも生活できるくらいですから、
水に強い毛皮となってくれるのであります。

十八世紀には、毛皮から外套を仕立てるように、
毛皮から帽子を仕立てることが多かったらしい。
まさに「ビーヴァー・ハット」であります。
つまり、「ビーヴァー・ハット」は、「毛皮帽」でもあったのです。

ところが、この「ビーヴァー・ハット」の歴史は古く、
少なくとも十五世紀には存在していたようですね。

しかし「ビーヴァー・ハット」が紳士、さらには貴族の帽子となるのは、十六世紀のこと。
それは、ハイ・クラウン、ミディアム・ブリムの帽子で、
テイパード・クラウンが特徴でした。
テイパード・クラウンとは、先端ほど細くなったクラウンのこと。
ただし、クラウン先端は平らになっていたのですが。

もちろん今では、ビーヴァーを原料にフェルトを作り、
そのビーヴァー・フェルトから帽子を作ることも、不可能ではありません。
かなり高価ではありますが。

それはともかく、ハイ・クラウン、ミディアム・ブリムの「ビーヴァー・ハット」を
ぜひ復活させたいものですね。