『帽子のオアオア物語』Vol.13 リボンの話
ハットにはたいていリボンが付いています。あのリボンもまた、帽子の大切な要素のひとつです。
リボンを変えてみると、帽子の雰囲気がガラッと変るものであります。
あのリボンは、和製英語。正しくは、「ハット・バンド」と言います。そして、ハット・バンドの結び目のことを、「ボウ」bow と呼ぶのです。
ハット・バンドにはどうして「ボウ」が添えられるのか。これについても、いろんな説があるようですが。
いちばん信頼できそうなのは、帽子のサイズを調整した名残りというのがあります。
帽子の内側に紐を通しておいて、これで縛って、結んでおいた。その結び目が後に飾りになったのだ、と。
ところで、ボウの位置にもいろんなスタイルがあります。たいていは、左右のどちらかに飾るのが、一般的ですね。
でも、時と場合によっては、後ろにあしらうことも。
フランス語では、「バヴォーレ」bavolet の言い方があります。つまりリボンの結び目を後ろに置くことを。
その昔、「バヴォーレ」という帽子があって。これは日本の「姉さまかぶり」に似て、布で頭を包む方式の帽子だった。そこで、布の後ろを結んで、かぶった。
この伝統から今に、「バヴォーレ」の名前があるんだそうです。