《レザー帽子の種類とお手入れ方法》フェイクレザーとリアルレザーの違いは?
オーバーライドで取り扱っているレザーの帽子には、リアルレザーとフェイクレザーの両方があります。そもそもその違いってなんなの?知っているようで、いざ質問されると説明できない…!なんて人も、多いはず。今日はそんなレザーに関する素朴な疑問にお答えします。それぞれのメリットやデメリット、お手入れ方法などもまとめて細かくご紹介!
●目次
レザー帽子の素材
本革と合成皮革の違い
ブランド別おすすめレザー・合皮帽子
レザー・合皮帽子のお手入れ・洗い方
レザー・合皮のお手入れに関するQ&A
レザー帽子の素材
まずは帽子に使われる本革と合成皮革、それぞれの素材の定義を分かりやすく解説。
リアルレザー(本革)とは
動物の皮を用いた天然の皮革をリアルレザー、または本革と言います。その機能性の高さと丈夫さで、人々に古くから愛されてきた天然素材のひとつ。実際の皮を使用しているため、個体差があり、使うほど味が出て柔らかくなってきます。レザーならではの香りも特徴のひとつ。最近は、リアルレザーの中でも地球環境に配慮して製造されたものをエコレザーと呼び、SDGsの観点から注目されています。
フェイクレザー(合成皮革)とは
リアルレザーに似せて人工的に作られた素材のことで、主に合成皮革(合皮)と呼ばれます。ポリウレタンなどの合成樹脂を塗布して作られることが多く、滑らかで均一な仕上がりが特徴。近年は技術の進化により、より天然に近い見た目や質感を表現できるように。
なお、2024年3月に日本産業規格(JIS)が用語規定を見直し。「レザー」は動物の皮を用いたものに限り、「フェイクレザー」「ヴィーガンレザー」といった表現は不適切となりました。
本革と合成皮革の違い
ぱっと見ただけでは違いがあまり分からない、なんてこともよくある本革と合皮。ですが、原材料が異なるだけあって、実際使ったときにはその差がしっかりと出てきます。「色・質感」「経年変化」「手入れのしやすさ」の3つのポイントに分けて、それぞれの素材のメリット・デメリットを深掘りしていきましょう!
色・質感
本革のメリット
染めたときに深みのある色合いが出せるのがリアルレザーの強み。しっとりと手に馴染む質感や、厚み、重みにリアルならではの高級感が漂います。
本革のデメリット
天然のものなので、ムラやシワ、傷などが出やすいこと。形も均一ではありませんが、それらは魅力のひとつでもあります。
合成皮革のメリット
本革に比べ、均一的な品質を約束してくれます。染色の制約も少ないため、何色でも比較的自由に作れて色展開が豊富。軽さも喜ばれるポイントです。
合成皮革のデメリット
安価なものだと「チープに見える…?」という印象を抱く人も多いよう。ただ、近年は技術も発達していて、新品の見た目の差はわずかになってきました。
経年変化
本革のメリット
使い込むことで柔らかくなり、手入れをするほどに油分が浸透し、手に馴染むような触り心地に。艶も出て、使い込んだ本革ならではの質感になります。時間を重ねながら自分だけのアイテムに育てる楽しみも味わえるのが醍醐味。
本革のデメリット
馴染みやすく、使用していくとくたっとした柔らかい雰囲気になるため、ハリのあるままの形を保つのは難しいことも。
合成皮革のメリット
種類にもよりますが、本革に比べると馴染みにくい素材なので型崩れなどはしにくく、形を保ちやすい傾向にあります。
合成皮革のデメリット
基本的に3年前後で表面のコーティングの剥がれやひび割れ、変色などが起こる可能性があります。本革と比べ短い寿命ですが、コスパがよいため、トレンドのデザインなどを楽しむのにはおすすめ。
手入れしやすさ
本革のメリット
日陰に置いて保湿クリームなどを塗り込んでこまめにお手入れすれば、かなり長く愛用できます。皮自体の耐久性が高く、10年以上はしっかり保つ優秀素材です。
本革のデメリット
湿度の高い場所で放置してしまうとカビが発生する恐れがあるので注意が必要。
合成皮革のメリット
水をはじくものが多いため、汚れにくいのが嬉しいポイント。中には自宅で手洗いができるものや、洗濯機洗いOKなものまで。
合成皮革のデメリット
洗えるものであっても濡れた状態には弱いため、日陰でなるべく早く乾かす必要があります。適切なケアをしていても、経年劣化を完全に防ぐのは難しいでしょう。
ブランド別おすすめレザー・合皮帽子
では、本革や合皮の帽子ってどんなものがあるの?そんな疑問にお応えすべく、帽子専門店オーバーライドで購入できるアイテムをブランド別に解説!
arth(アース)
帽子好きからもラブコールが絶えないブランド・アースによる、日本の確かな技術で生み出される本革帽子。丁寧な仕立てと、高級感のあるカラーリングで上品な印象に。ハードにならずにかぶることができるので取り入れやすく、初挑戦にもおすすめ。
KANGOL(カンゴール)
言わずと知れた老舗帽子ブランド、カンゴール。合成皮革の商品には、クラシックな世界観を強めるモノトーンカラーのアイテムが多い。カルチャーに精通するブランドなので、おしゃれさんからの支持は絶大です。
Chapeau d’ O(シャポー ド オー)
ソフトで女性らしいニュアンスを表現するために、あえて合成皮革を使用しているシャポー ド オー。均一な合皮の表面がクリーンな印象を与えます。細部にまでこだわった繊細なデザインも魅力です。レザー帽子をフェミニンにかぶりたいときはぜひチェックを。
OVERRIDE(オーバーライド)
機能よし、デザインよし、コスパよしの三拍子がそろったオーバーライドの合成皮革の帽子の数々。表面感の自由度の高さやカラーリングなど合皮のメリットを活用した、手に取りやすくて扱いやすいアイテムが揃います。ユニセックスな雰囲気で幅広い層がかぶりやすいのも◎
レザー・合皮帽子のお手入れ・洗い方
最後に、レザーを扱うときに気になるお手入れ方法を解説。よくある疑問にもお答えします。
リアルレザー・本革
1.馬毛のブラシで帽子についたホコリを落とす
2.保湿クリームを布にとり、くるくると動かしながら塗っていく。乾燥やキズのある部分は念入りに。エイジングに繋がりやすい乾燥を防ぎ、栄養補給ができます。
3.馬毛のブラシで全体をやさしく撫でて馴染ませる
4.クリームが残っていたら柔らかい布で乾拭きをする
合成皮革
1.まず、製品の洗濯表示を見る
2.家庭で洗えない場合→汚れを拭き取るなどのケアを行う
家庭で洗える場合→おしゃれ着用洗剤を使うとGOOD。洗濯表記に従って、手洗いかマシンウォッシュを。洗濯機の場合、ネットを使うと型くずれやダメージを軽減できます。
<注意ポイント>
・表示で洗えることが確認できても、表面にベタつきやヒビ割れなどの傷みがあるなら洗濯は控えて。濡れた状態が続くことで生地をさらに傷めてしまう可能性も。
・他の素材と長時間接していると色移りする可能性があるので注意!湿度・温度の低い場所で吊るして保管を。
・汚れを放置しておくとカビや雑菌が発生してしまうので、着用後は軽く拭いておくと◎
レザー・合皮のお手入れに関するQ&A
本革・合成皮革に付いたシミや汚れは落とせる?
<本革の場合>
革の状態や汚れの性質によって異なりますが、表面の汚れは専用のクリーナーで優しくふき取ります。シミは固く絞ったタオルなどで、シミだけでなく全体を徐々に濡らし、陰干しして革をしっかり乾かしてシミが見えなくなったら、保湿クリームを薄く塗りこみます。
<合成皮革の場合>
シミよりも、使用していくうちに表面汚れがこびりついてうっすら汚れるケースが多いです。革用のクリーナーで表面の汚れを落としてあげるだけで、簡単にキレイになります。
水濡れや汚れを防ぐ方法はある?
帽子をかぶる前に防水スプレーを吹きかけてあげると、水だけでなく、汚れも一緒に防いでくれます。防水スプレーの効果は3~5日程度のため、かぶるたびに防水スプレーを使用すると効果が持続しやすくなるのでおすすめ。
本革が乾燥してヒビ割れしてきたら、どうしたらいい?
乾燥してひび割れた革は元に戻すことはできません。保湿クリームを使った日ごろのお手入れで事前に防ぐのがベストですが、こまめに保湿クリームを塗ってケアすると革が柔らかくなり、ひび割れが広がるのを防いでくれます。
カビが生えてしまったときの対処法は?
革用のカビクリーナーを使用することで、カビを落としつつ再発を防げます。柔らかい布などで表面のカビを拭き取ったら、全体的にカビクリーナーを吹きかけて1日ほど乾かします。カビが再発しなければ保湿用クリームを塗って、もし乾かしているときにカビが再発した場合は再度新しい布でカビを拭き取り、クリーナーを吹きかけます。
※拭き取った布はカビの菌が付着しているのですぐに処分してください。
素材や加工、アイテムごとにさまざまな魅力があるレザー帽子。実際に目にすると、ひとつひとつの違いに驚くはず。ぜひお店で手に取って、かぶってみてくださいね。
Words: Mai Otsuki Photos: Kazuki Miyamae Edit: Miyuu Takata , Ami Nanjo