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『帽子のオアオア物語』Vol.13 リボンの話

『帽子のオアオア物語』Vol.13 リボンの話

ハットにはたいていリボンが付いています。あのリボンもまた、帽子の大切な要素のひとつです。

リボンを変えてみると、帽子の雰囲気がガラッと変るものであります。

あのリボンは、和製英語。正しくは、「ハット・バンド」と言います。そして、ハット・バンドの結び目のことを、「ボウ」bow と呼ぶのです。

ハット・バンドにはどうして「ボウ」が添えられるのか。これについても、いろんな説があるようですが。

いちばん信頼できそうなのは、帽子のサイズを調整した名残りというのがあります。

帽子の内側に紐を通しておいて、これで縛って、結んでおいた。その結び目が後に飾りになったのだ、と。

ところで、ボウの位置にもいろんなスタイルがあります。たいていは、左右のどちらかに飾るのが、一般的ですね。

でも、時と場合によっては、後ろにあしらうことも。

フランス語では、「バヴォーレ」bavolet の言い方があります。つまりリボンの結び目を後ろに置くことを。

その昔、「バヴォーレ」という帽子があって。これは日本の「姉さまかぶり」に似て、布で頭を包む方式の帽子だった。そこで、布の後ろを結んで、かぶった。

この伝統から今に、「バヴォーレ」の名前があるんだそうです。

出石尚三

出石尚三

服飾評論家、ファッション・エッセイスト。国際服飾学会会員。主にメンズ・ファッションの記事を執筆。著書も多数。60年代にファッション・デザイナー・小林秀夫の弟子となったのが、メンズ・ファッションの道に入った最初。幼少期からお洒落好き。好きな作家はサマセット・モーム。好きな画家はロートレック。好きな音楽家はショパン。好きな花は薔薇(ばら)。好きな色はピンク。好きな言葉は「夢」「希望」「愛」。昔の服からふっと新しいアイデアを頂くこともある。